前回、クロスの原状回復について説明しましたが、今回はフローリングの原状回復についてご説明致します。
フローリングはとても丈夫な建築資材の一つですが、日々の生活によってはどうしても傷等がついてしまうことがあります。
そこで国土交通省の「原状回復のガイドライン」では、以下のように定めています。
◎原状回復の対象となる傷や汚損の例
・引っ越し時に引きずったりぶつけたりして出来た傷や凹み
・物を落下させたりして出来た傷や凹み
・雨天にも関わらず、窓を開放したままにし、床が濡れて変色や腐食した場合
・その他故意、過失による傷や汚損
◎原状回復の対象とならない傷や汚損の例
・日照りによる変色や劣化
・家具の設置に伴う傷や凹みといった設置跡
・構造上による汚損(借主にとって不可抗力なもの)
では、フローリングの原状回復が発生した場合、どのように支払額を算定するのでしょうか。
国土交通省の「原状回復のガイドライン」では以下のように定めています。
◎フローリング全体を張り替える場合
広範囲に原状回復箇所があり、フローリングの張替をする必要がある場合は、「建物の耐用年数と経過年数で減価償却して算定」となります。
このフローリングの耐用年数ですが、クロスのように6年ではなく、以下のように建物の構造により年数が決まります。
木造:22年 軽量鉄骨造:19年 鉄骨造:34年 鉄筋コン又は鉄筋鉄骨造:47年
◎部分的な「補修」が必要となる場合
傷や凹み、剥がれ等、部分的に補修による原状回復が必要となる場合は、「フローリングの耐用年数や経過年数に関係なく、補修に必要な部材及び工賃全て」を借主が負担するものとされています。
フローリングの原状回復費用は、「フローリング自体の単価が高いこと」「補修には人工代が必要なこと」から、張替にしろ補修にしろ、非常に大きな金額が掛かる可能性がございます。
(規模によっては、契約時に貸主へ預託している敷金を超えてしまうことも…)
フローリングの物件へ入居される際は、カーペットを敷いたりする等、極力フローリングに傷をつけない努力が必要ですね。