隣家の木の越境

以前弊社で管理している貸家の入居者より、「隣家の木の枝が柵を超えて伸びてきているのですが、切ってもいいのでしょうか」との問い合わせがございました。

以前の民法上では、たとえ自分の敷地内に侵入してきていたとしても、「木の所有者に対して切るように請求する」か「木の所有者の許可を得た上で自分で切る」の2つのパターンでの対応しかできず、木の所有者の同意が必要となっておりました。

そのため、そもそも所有者の所在が特定できない場合や同意を得られない場合には、「裁判をする」か「諦める」のどちらかを選ぶしかない状況となっておりました。

しかし、2023年4月1日の民法の改正により、この条件が大きく変更となりました。

現行法では、「木の所有者に対して切るように請求する」ところまでは同じですが、それ以後に関しては「木の所有者に催告したにもかかわらず相当の期間内に枝の切除を行わない」「木の所有者を知ることができない、または木の所有者の所在を知ることができない」「何らかの急迫の事情ある(切除しなければ危険の恐れがある等)」といった場合は、自分で切除することが出来るとなっております。

トラブルを避けるためにも、極力木の所有者に許可を得ることは今後も必要ですが、たとえ得ることが出来なくても、法律上認められたことはとても大きな変化といえますね。

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